海外売る

古物商許可の取り方|個人が申請する手順

公開 2026-09-13
※本記事にはプロモーション(広告)を含みます。

中古品を仕入れて売る。 この一言で、古物営業法の世界に入ります。

副業でも、月に数個でも、判断の基準は同じです。 そして許可を取らずに営むと、法律に罰則の定めがあります。

この記事は、古物営業法の条文と警察庁の通達、各都道府県警の公式ページだけで組み立てました。 何が全国共通で、何が都道府県ごとに違うのか。 その線引きを先に示します。

この記事の位置づけ

先に、この記事がどういう立場で書かれているかを明示します。

運営者は古物商許可を申請した経験がありません。 警察署の窓口で相談したこともありません。 そのため本記事は、公開されている法令・行政資料の整理として書いています。

参照した一次情報は次のとおりです。

種類資料名確認日
法律古物営業法(令和7年6月1日施行の現行版・e-Gov法令検索)2026年9月13日
府省令古物営業法施行規則(現行版・e-Gov法令検索)2026年9月13日
通達警察庁「古物営業法等の解釈運用基準」(令和6年8月14日付)2026年9月13日
審査基準警視庁(東京都公安委員会)「古物商の許可」審査基準2026年9月13日
都道府県警警視庁・千葉県警・神奈川県警・愛知県警・北海道警・佐賀県警の各ページ2026年9月13日

書き方のルールも決めています。

  • 法令の解釈は自分で断定しません
  • 条文に書いてあることは「〜と定められています」と書きます
  • 通達や県警の案内は、発出元を主語にして書きます
  • 公式で確認できなかったことは「確認できませんでした」と書きます
  • 個別のケースの可否は、所轄の窓口へ確認する案内で止めます

なお、この記事では税金の話は扱いません。 詳細は国税庁のページをご確認ください。

結論:仕入れて売るなら許可が要る

先に答えを書きます。

他人から買い取った中古品を売る営業は、許可の対象と定められています。 根拠は古物営業法第2条第2項第1号と第3条です。

法第2条第2項第1号は、許可の対象となる営業をこう定めています。 「古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業」。 ただし、除かれるものも書かれています。 「古物を売却すること」のみを行うもの。 「自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けること」のみを行うもの。 この2つです。

言い換えると、買って売るという流れが入ると対象になります。 自分の持ち物を手放すだけなら、そこから外れます。

副業かどうかで扱いが変わるという記載は、見当たりませんでした。 警察庁の解釈運用基準は、「営業」についてこう示しています。

その者が主として行う本業、本職である場合だけでなく、臨時的に行う副業、内職等というべき場合においても、それは法にいう営業と認められる

出典: 警察庁「古物営業法等の解釈運用基準」(2026年9月13日確認)

同じ通達は、営利目的の判定についても触れています。 一つ一つの取引で現実に利益が出ている必要はない、という趣旨です。 一連の行為を包括的に見て利益をあげ得るものであればよい、と示されています。

許可が要る場合・要らない場合の整理

千葉県警察のFAQと警察庁の通達から、典型例を表にします。

ケース許可の要否根拠
他人から買い取った中古品を売る要る法第2条第2項第1号・第3条
自分が使うために買った物を売る(未使用を含む)要らない千葉県警FAQ
自分が売った物を相手方から買い戻して転売する要らない千葉県警FAQ
無償で引き取った物を売る要らない千葉県警FAQ
処分手数料を受け取って引き取った物を売る要らない千葉県警FAQ
自分で海外から輸入した物だけを売る要らない千葉県警FAQ
国内の業者から買い取った輸入品を売る要る千葉県警FAQ
転売するつもりで買った物を売る要る千葉県警FAQ

出典: 千葉県警察「古物商・古物市場主許可について」(2026年9月13日確認)

注意したいのが最後の行です。 千葉県警は、自己使用と言いながら実際は転売のために買っている場合は許可が要る、と案内しています。 「自分用に買った」という説明だけで外れるわけではありません。

新品未使用でも「古物」になることがある

せどりをする人が最初につまずく点です。

警察庁の解釈運用基準は、こう示しています。 小売店等から一度でも一般消費者の手に渡った物品は、まだ使用されていなくても「古物」に該当する。

つまり、未開封の新品でも、消費者を経由していれば古物と示されています。 逆に、まだ一度も消費者の手に渡っていない新品は、この説明には当てはまりません。 個人から未開封品を買い取って売る形は、古物の取引に当たる整理です。 自分の仕入れ経路がどちらに当たるかは、所轄警察署に確認してください。

古物の区分は施行規則第2条で13に分かれています。

美術品類/衣類/時計・宝飾品類/自動車。 自動二輪車及び原動機付自転車/自転車類/写真機類/事務機器類。 機械工具類/道具類/皮革・ゴム製品類/書籍/金券類。

申請書には、主として取り扱う区分を書きます。

フリマ・バザーの扱い

警察庁の解釈運用基準は、リサイクルショップやバザー、フリーマーケット、ネット上のフリマサイトについて、こう示しています。 取引の実態や営利性に照らして、個別具体的に判断する必要がある。

バザーやフリーマーケットについては、判断の材料も挙げられています。 取引されている古物の価額、開催の頻度、買受けの代価の多寡、収益の使用目的。 これらを総合的に判断する、という整理です。

一律の線引きは示されていません。 自分のケースの可否は、所轄警察署の窓口で確認してください。

申請の流れ・必要書類・手数料・標準処理期間

ここから手続の中身です。

どこに出すか

古物営業法第5条第1項により、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会に申請します。 実際に窓口へ出すのは、その所在地の所轄警察署です。 施行規則第1条の3第2項に、所轄警察署長を経由して申請書1通を提出すると定められています。

営業所がない場合は、住所または居所の所在地が基準になります。

窓口の係の名前は、案内によって表記が分かれます。 警視庁の古物商許可申請のページは「防犯係」と案内しています。 一方、東京都公安委員会の審査基準は「生活安全担当課」と記載しています。 愛知県警・神奈川県警は「生活安全課」「生活安全(第一)課」です。

署によって係の名称が異なるため、行く前に電話で確認するのが安全です。

千葉県警察は、受付時間を平日(月〜金)の午前9時〜午後4時と案内しています。

手数料

新規の許可申請は19,000円です。 警視庁・神奈川県警・愛知県警・北海道警・千葉県警・佐賀県警のいずれも同額で案内しています。

手続手数料
新規の許可申請19,000円
許可証の書換え申請1,500円
許可証の再交付申請1,300円

(2026年9月13日時点・各都道府県警の公式ページで確認)

返還の扱いにも触れておきます。 愛知県警察は「不許可となった場合及び申請を取り下げた場合でも手数料の返却はできません」と案内しています。 佐賀県警察も同趣旨の記載です。

納付方法は都道府県で違います。 愛知県警はキャッシュレス決済または愛知県収入証紙と案内しています。 千葉県警はクレジット・電子マネー・コード決済・現金、および収入証紙と案内しています。 千葉県の収入証紙による納付は令和6年12月31日までとされています。

申請先の納付方法は、その県警のページで確認してください。

どのくらいかかるか

東京都公安委員会の審査基準には、標準処理期間が明記されています。

40日(行政庁の休日は含まない。)

出典: 警視庁(東京都公安委員会)審査基準「古物商の許可」(2026年9月13日確認)

ここは読み間違えやすい部分です。 行政庁の休日を含まないため、カレンダー上の日数では40日より長くなる計算になります。 土日祝が挟まる分だけ伸びる、と考えてください。

他県の案内も並べます。

都道府県警案内されている期間
警視庁(東京都公安委員会 審査基準)40日(行政庁の休日は含まない)
神奈川県警察概ね40日
千葉県警察概ね40日
愛知県警察申請から40日前後で交付
北海道警察申請から概ね40日以内
佐賀県警察概ね40日

(2026年9月13日・各公式ページで確認)

なお審査基準の「審査基準」欄には、こう書かれています。 古物営業法第4条各号の欠格要件に該当しないなど古物営業法を遵守し、適正な営業を期待できるときに許可する。

期間や結果を保証する記載ではありません。

個人の必要書類

添付書類は施行規則第1条の3第3項第1号に定められています。

書類内容取得先の例
略歴書最近5年間の略歴を記載した書面自分で作成
住民票の写し本籍の記載があるもの(外国人は国籍等の記載があるもの)市区町村
誓約書法第4条第1号〜第9号のいずれにも該当しない旨自分で作成
身分証明書準禁治産者・破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市区町村長の証明書本籍地の市区町村

ここで言う「身分証明書」は、運転免許証のことではありません。 本籍地の市区町村が出す証明書です。 本籍地が遠い場合は、郵送請求の日数も見込んでください。

追加で必要になるものもあります。

  • 未成年者の場合は、法定代理人に関する書面
  • 管理者を自分以外から選ぶ場合は、その人の略歴書・身分証明書・誓約書(同項第3号)
  • ウェブサイトを使って取引する場合は、URLの使用権原を疎明する資料(同項第5号)

有効期限は県警の案内で差があります。 佐賀県警察は、住民票・身分証明書とも発行3か月以内と案内しています。 千葉県警察は、住民票を本籍記載のものと案内しています。

申請先の様式と部数は、その県警のページで確認してください。

欠格事由(法第4条)

法第4条は、次のいずれかに当たる場合は許可をしてはならないと定めています。

内容(要約)
1破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
2拘禁刑以上の刑、または法第31条・刑法第235条(窃盗)・第247条(背任)・第254条(遺失物等横領)・第256条第2項(盗品等有償譲受け等)の罪で罰金の刑に処せられ、執行を終わった日等から5年を経過しない者
3集団的または常習的に暴力的不法行為等を行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
4暴力団対策法第12条等の命令・指示を受けた日から3年を経過しない者
5住居の定まらない者
6古物営業の許可を取り消され、取消しの日から5年を経過しない者
7取消しの聴聞の公示後に許可証を返納し、返納の日から5年を経過しない者
8心身の故障により業務を適正に実施できない者として国家公安委員会規則で定めるもの
9営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(古物商等の相続人で、法定代理人が他の号に当たらない場合の例外が定められています)
10営業所または古物市場ごとに管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者
11法人で、役員に第1号〜第8号に当たる者があるもの

出典: e-Gov法令検索 古物営業法(2026年9月13日確認・令和7年6月1日施行の現行版)

1点、資料の新旧に注意してください。 第2号は令和7年6月1日施行の刑法改正で「禁錮」から「拘禁刑」に改められています。 千葉県警のQ&A(PDF)や神奈川県警の申請ページには、旧表記の「禁錮以上の刑」が残っています。 現行の条文はe-Gov法令検索で確認できます。

自分が該当するかどうかの判断は、所轄警察署に確認してください。

営業所をどう書くか

ネット販売だけをする人にとって、最大の疑問がここです。

公式に書かれている「営業所」の定義

警察庁の解釈運用基準は、営業所をこう定めています。

「営業所」とは、人の営業の本拠であって、営業全般についての法律的事実的行為の責任の所在場所をいう。したがって、営業上必要な帳簿や商品を保管する事務所、店舗等を含めた意味である。

同じ通達は、行商のみを行う者について、その住所または居所を営業所とみなすとしています。

条文の側も見ておきます。 法第4条第10号は「営業所(営業所のない者にあつては、住所又は居所をいう。)」と規定しています。 営業所を持たない形態も、条文上は想定されています。

バーチャルオフィス・レンタルオフィスは使えるか

ここは正直に書きます。

公式の資料では、可否を確認できませんでした。

警察庁の解釈運用基準は全45ページあります。 その全文を検索しても、次の語は1件も出てきません。 「バーチャルオフィス」「レンタルオフィス」「賃貸」。 都道府県警のページも見ました。 警視庁・千葉・神奈川・愛知・埼玉・北海道・佐賀・福岡の各ページです。 いずれにも、可否を明記した記載は見つかりませんでした。

検索すると「バーチャルオフィスでは取得できない」という説明が多く出てきます。 ただし、その出所は行政書士事務所やバーチャルオフィス事業者のサイトです。 行政機関の一次情報としては確認できませんでした。

判断材料になるのは、営業所に課される義務のほうです。

義務根拠内容
管理者の選任法第13条第1項営業所ごとに管理者1人を選任する
管理者の常勤解釈運用基準 第12の1管理者はその営業所に常勤して業務に従事し得る状態にある必要がある
標識の掲示法第12条第1項営業所ごとに公衆の見やすい場所に標識を掲示する
帳簿の備付け法第18条第1項帳簿等を営業所に備え付け、または保存する

この4つを満たせる場所かどうかが、実務上の論点になります。 ただし、個別の物件が営業所と認められるかは、条文にも通達にも書かれていません。

契約する前に、所轄警察署の防犯係(生活安全課)へ確認してください。

なお、バーチャルオフィスそのものの比較はバーチャルオフィス9社の比較にまとめています。 ただしその記事は、特定商取引法の住所表示や郵便物の受け取りを軸に整理したものです。 古物商の営業所として使えるという趣旨ではありません。

賃貸や自宅を営業所にする場合の使用承諾書

ここは都道府県で運用が分かれています。

まず、法定の添付書類ではありません。 施行規則第1条の3第3項に、使用承諾書は挙げられていません。

そのうえで、県警の案内が割れています。

県警案内の内容
千葉県警察法定書類ではないため公安委員会への提出は求めていない。ただし賃貸等の場合、管理会社等から承諾を受けているかを申請受理時に確認させてもらうことがある
佐賀県警察必要書類として「営業所使用承諾書(自己所有以外の場合)」を挙げている

出典: 千葉県警察「よくある問い合わせQ&A」佐賀県警察「古物営業許可申請等の手続き」(2026年9月13日確認)

提出を求められるかどうかは、申請先によります。 賃貸物件を使うなら、所轄警察署と管理会社の両方に確認しておくのが無難です。

現地確認があり得る

佐賀県警察は、警察官が適切な営業が可能か事前に調査に伺うと案内しています。 所在地が分かりづらい場合は、見取図の添付を勧めています。

事後についても仕組みがあります。 警察庁の解釈運用基準は、簡易取消しの調査手続として3つを挙げています。

  • 住所や営業所等の関係場所への現地確認
  • 許可申請時に届け出た電話番号への電話連絡
  • 簡易書留等、追跡調査が可能な郵便の発出

届け出た住所と電話番号は、実在して連絡が取れる状態にしておく前提です。 郵便物の受け取り方は郵便物の転送サービス比較にまとめています。

管理者は自分でなれる

法第13条第1項は、営業所ごとに管理者1人の選任を義務づけています。 警察庁の解釈運用基準にも記載があります。 古物商自らが業務の実施を実質的に統括管理できる場合。 このときは、自らを管理者として選任することも許容されるとしています。

個人で申請する人は、自分が管理者になる形が基本です。

ただし法第13条第2項により、なれない人がいます。 未成年者、法第4条第1号〜第7号に該当する者、心身の故障により管理者の業務を適正に実施できない者です。

ネット物販に直撃する3つの義務

ここが、店舗販売の人と最も違う部分です。 申請前に知っておきたい論点を3つに分けます。

1. URLの届出と疎明資料

法第5条第1項第6号により、ウェブサイトを使って古物の取引をする場合は、そのURLを申請書に記載します。 使わない場合は、その旨を記載します。

添付するのが、施行規則第1条の3第3項第5号の疎明資料です。 警察庁の解釈運用基準は、プロバイダ等からURLの割当てを受けた際の通知書の写し等が該当するとしています。

紛失・汚損した場合の扱いも示されています。 株式会社日本レジストリサービスの「WHOIS」という仕組みがあります。 そこで公開されている情報で疎明できる場合。 その情報を印刷した書面の提出もできる、という整理です。 通知書にID・パスワードが記載されている場合は、それらを消除した写しの提出が望ましいとされています。

千葉県警察は、疎明資料に次の3点が明記されている必要があると案内しています。

  • プロバイダ名
  • 使用者名
  • 使用する(割り当てられた)URL

通知書の写し等が発行されない場合は、URLやユーザ情報が分かる疎明資料・申立書等が必要と案内されています。 モールに出店しているだけの場合は、どの書面で足りるかを所轄警察署に確認してください。

届出が不要になるケースも示されています。

  • 古物の売買・交換等の申込みの誘引が行われていないウェブサイト
  • 個々の情報ごとに無作為にURLが割り当てられ、一定のURLを反復継続して用いることができない掲示板

すでに許可を受けた後で、新たにウェブサイトを使った取引を始めたときも届出が要ります。 届出済みのURLを変えたときも同じです。

2. 氏名が公表される(法第8条の2)

匿名で物販をしたい人には、ここが重い論点です。

法第8条の2は、法第5条第1項第6号の方法を用いる古物商を「特定古物商」と定義しています。 警察庁の解釈運用基準(第7の1)にも記載があります。 公安委員会が、特定古物商について次の3つを自らのサイトに掲載する、という内容です。

  • 氏名または名称
  • 当該ウェブサイトのURL
  • 許可証の番号

つまり、ネットで古物の取引をする個人事業者は、氏名が公安委員会のサイトに掲載される仕組みです。

警視庁の案内も同じ方向です。 「個人で許可を受けた場合、許可を受けた者の氏名を掲載しなければなりません。氏名に代えて、営業所の名称のみを表示することは認められません」と記載されています。 同じページには、こうも書かれています。 「オークションサイトやフリマアプリを利用して、古物商であることを表示せずに取引を行うことはできません」。

出典: 警視庁「古物商許可申請をされる方へ」(2026年9月13日確認)

警視庁の案内によれば、氏名に代えて屋号だけを表示する形は認められないとされています。 屋号の使い方そのものは屋号付き口座が作れる銀行の比較で整理しています。

3. 特定商取引法の表示義務は別にかかる

警視庁は同じページで、こうも案内しています。 インターネットを利用して古物の販売を行うことは、特定商取引法の「通信販売」に該当する。 通信販売を行う際は、個人の事業者であっても、事業者の氏名、住所、電話番号等を表示する義務が生じる。

古物営業法の許可を取っても、特商法の表示義務は消えません。 逆に、特商法の対応をしても、古物営業法の許可が不要になるわけでもありません。 2つは別の制度です。

住所の表示については特定商取引法の住所を個人が非公開にできる条件で、消費者庁のQ&Aに当てて整理しています。

ここで、誤解を1つ潰しておきます。 住所の扱いに選択肢があるとしても、氏名は上記のとおり公表されるという整理です。 「住所を借りれば匿名で運営できる」という話ではありません。

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上のリンクは、特定商取引法の住所表示と郵便物の受け取りを目的とした案内です。 古物商の営業所として使えるという意味ではありません。 営業所の可否は、所轄警察署に確認してください。

ウェブサイトへの氏名等の表示義務(令和6年4月1日施行)

もう1つ、自分のサイト側の義務があります。

法第12条第2項により、古物商は氏名または名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号をウェブサイトに表示します。 施行規則第13条の2第1項により、次の場合は免除されます。

  • 常時使用する従業者の数が5人以下である場合
  • 当該古物商が管理するウェブサイトを有していない場合

ここに例外があります。 法第12条第2項の括弧書きは「(その者が特定古物商である場合を除く。)」としています。 そして法第12条第3項が、特定古物商について表示すべき事項を定めています。

つまり、ネットで取引をする特定古物商は、従業者が5人以下でも表示側の義務がかかる整理です。 1人で運営していても対象になり得ます。

「常時使用する従業者」の意味も示されています。 警察庁の解釈運用基準は、労働基準法第20条の「予め解雇の予告を必要とする者」としています。 そのうえで、会社役員および個人事業主はこれに該当しないとしています。

表示場所は、取り扱う古物を掲載している個々のページが原則です。 トップページへの表示、またはトップページから表示ページへのリンク設定も認められる、と案内されています。

標識(古物商プレート)

法第12条第1項により、営業所ごとに公衆の見やすい場所へ標識を掲示します。 様式は施行規則第11条・別記様式第13号です。

項目内容
サイズ縦8センチメートル、横16センチメートル
材質金属、プラスチック、またはこれらと同程度以上の耐久性を有するもの
紺色地に白文字
記載事項許可した公安委員会名/12桁の許可証番号/主として取り扱う区分に応じた「○○商」/氏名または名称

出典: 警視庁「標識の様式」(2026年9月13日確認)

「公衆の見やすい場所」についても定義があります。 警察庁の解釈運用基準は、営業所等の入り口等を挙げています。 通常街路等を通行する一般公衆において、社会通念上見やすいと認められる場所、という説明です。

自宅を営業所とする場合にどこへ掲げるかは、所轄警察署に確認してください。

許可後の実務と令和7年10月の改正

許可は入口です。 取った後にかかる義務のほうが、日々の作業に効きます。

相手方の確認義務と1万円ルール

法第15条第1項により、古物を買い受けようとするときは相手方の真偽を確認する措置をとります。

法第15条第2項第1号・施行規則第16条第1項により、対価の総額が1万円未満の取引は確認義務が免除されます。 警察庁の解釈運用基準は、この1万円に消費税を含まないと解されるとしています。

ただし、施行規則第16条第2項に例外の品目が並びます。 警視庁は、これらについて1万円未満の買受けでも「相手方の確認義務等」(相手方の確認義務および帳簿等への記載等義務)の対象になると案内しています。

品目備考
自動二輪車及び原動機付自転車(汎用性の部分品を除く部分品を含む)
エアコンディショナーの室外ユニット、電気温水機器のヒートポンプ令和7年10月1日施行で追加
専ら家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物
光学的方法により音又は影像を記録した物CD・DVD等
電線令和7年10月1日施行で追加
グレーチング(金属製のものに限る)令和7年10月1日施行で追加
書籍

出典: 警視庁「古物営業法施行規則の一部改正について(令和7年10月1日施行)」(2026年9月13日確認)

範囲についても案内があります。 警視庁は電線について、LANケーブルやテレビ接続ケーブル、延長コード、充電ケーブルなどは対象外としています。 グレーチングについては、コンクリート製は対象外としています。

分割持ち込みの扱いにも触れておきます。 警察庁の解釈運用基準に記載があります。 相手方が複数の物品を数回に分けて持ち込んだ場合。 各回の対価の総額が1万円に満たなければ、確認義務と帳簿記載義務は免除されるとしています。 一方で、正当な理由なく数回に分けて売却することを希望する相手方もいます。 その場合、警察官への申告義務が生じることがあるとしています。

品目別・金額別の一覧(通達の別表)

警察庁の解釈運用基準の別表に、品目別・金額別の一覧があります。 1万円以上の取引がこちらです。

区分相手方の確認帳簿(買受け)帳簿(売却)
美術品類、時計・宝飾品類
自動車(部分品を含む)
オートバイ、その部分品
ゲームソフト等、CD・DVD等、書籍×
上記以外の古物×

1万円未満はこうなります。

区分相手方の確認帳簿(買受け)帳簿(売却)
オートバイ
オートバイの部分品(ねじ、ボルト、ナット、コード等を除く)×
オートバイの部分品(ねじ、ボルト、ナット、コード等)×××
ゲームソフト等、CD・DVD等、書籍×
美術品類、時計・宝飾品類、自動車、その他の古物×××

自動車については、引き渡した古物が自動車である場合は相手方の住所等の記載を不要とする旨が示されています。

この別表には、重要な注意点があります。 別表は令和6年8月14日付の通達に付されたものです。 令和7年10月1日施行の改正で4品目が追加されました。 エアコン室外機、電気温水機器のヒートポンプ、電線、金属製グレーチングです。 この4つは、別表に反映されていません。 条番号も、現行の施行規則第16条第2項とはずれています。

新しい4品目については、警視庁の改正案内のほうを見てください。

帳簿の記載と保存

法第16条により、売買・交換のため古物を受け取り、または引き渡したときは、その都度記録します。

記載事項内容
1取引の年月日
2古物の品目及び数量
3古物の特徴
4相手方の住所、氏名、職業及び年齢
5法第15条第1項によりとった措置の区分

「その都度」の意味も示されています。 警察庁の解釈運用基準は、古物を受け取り、または譲り渡したそのたびごとを指すとしています。 1週間分や1か月分をまとめて記載するようなことは許されない、と書かれています。

保存期間は法第18条第1項です。 起算点が2つに分かれている点に注意してください。

形式保存期間の起算点
帳簿等最終の記載をした日から3年間
電磁的方法による記録当該記録をした日から3年間

表計算ソフトで記録する場合は、後者の読み方になります。

例外もあります。 書籍については、同一人から同時に受け取ったものをまとめて記載することが認められています。 「『書名』外○冊」「コミック○冊、文庫○冊」といった例が示されています。 一方、CD・DVD等については原則どおり1品ごとに記載する、とされています。

帳簿等をき損・亡失・滅失したときは、法第18条第2項により直ちに所轄警察署長へ届け出ます。

非対面の本人確認

ネット買取をするなら、ここが最大の作業になります。

警視庁は「非対面取引における確認の方法」として15種類を掲載しています。 主なものを挙げます。

  • 電子署名付きメールの受領
  • マイナンバーカードの署名用電子証明書の提供
  • 印鑑登録証明書と押印書面の送付
  • 本人限定受取郵便物等の送付と到達確認
  • 住民票の写しの受領+その住所あてに転送不要の簡易書留を送付して到達確認
  • 住民票の写しの受領+記載された本人名義口座への代金入金
  • 身分証明書のコピー+簡易書留の到達確認+口座振込
  • すでに確認措置をとった相手へのID・パスワード付与
  • 異なる身分証2点、または身分証コピー1点+公共料金領収書の送付と簡易書留の到達確認
  • 古物商提供ソフトウェアによる本人確認書類の撮影画像の受信+簡易書留の到達確認
  • ICチップ情報の受信+簡易書留の到達確認
  • 容貌画像+写真付き身分証画像の受信
  • 容貌画像+ICチップ情報の受信

出典: 警視庁「非対面取引における確認の方法」(2026年9月13日確認)

見てのとおり、身分証のコピーを1枚もらって終わり、にはなりません。 警視庁は「単に『運転免許証のコピーの送付を受ける。』等の方法では不十分であり、古物営業法で定める確認を行ったことにはなりません」と案内しています。

古物商どうしの取引も同じです。 警視庁は、古物商同士の取引であっても相手方の確認義務は免除とならない、と明記しています。 リサイクルショップ等で仕入れる場合も確認が要る、という整理です。

もう1点、実務の落とし穴があります。 警察庁の解釈運用基準は、旅券(パスポート)について、規則第15条第1項の「身分証明書等」に含まれないとしています。 所持人記入欄が発行元の了承なく記載できるため、住所を証する資料と言えない、というのが理由です。

代金の受け取り方はネットショップの決済サービス比較で整理しています。

古物を受け取れる場所の制限

見落としやすい条文です。

法第14条第1項は、古物商が古物商以外の者から古物を受け取れる場所を限定しています。 自分の営業所、または取引の相手方の住所もしくは居所です。

カフェやコンビニで待ち合わせて個人から買い取る、という形は原則から外れます。 違反した場合、法第32条に1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています。

例外は仮設店舗です。 あらかじめ日時と場所を、その場所を管轄する公安委員会に届け出た場合は受け取れます。 届出は施行規則第14条の2により、営業を営む日から3日前までに別記様式第14号の2で行います。

古物の受け取りを行わない出店については、警察庁の解釈運用基準が補足しています。 届出は要らないが行商に当たるため、許可証または行商従業者証の携帯義務や標識の掲示義務がある、という整理です。

貴金属を扱うなら別の法律もかかる

時計・宝飾品類を扱う人は、もう1つ確認してください。

警視庁は、犯罪による収益の移転防止に関する法律に触れています。 同法第2条第2項により、古物である貴金属等の売買の業務を行う古物商は特定事業者に当たる、という案内です。 そして特定事業者には、本人特定事項の確認義務や疑わしい取引の届出義務等が課せられているとしています。

古物営業法とは別系統の義務です。 扱う区分を決める段階で、頭に入れておいてください。

つまずきやすい点と罰則

最後に、後から効いてくる論点をまとめます。

行商にチェックを入れるか

法第5条第1項第5号により、申請書には行商をしようとする者かどうかの別を記載します。

警察庁の解釈運用基準は、行商を「古物商が営業所以外の場所で行う古物の取引」としています。 そして次の4つが全て行商に含まれるとしています。

  • 自動車のセールスマン等が相手方の住所または居所で行う古物の売買
  • 古物市場において古物商間で行う古物の取引
  • いわゆる展示即売会における古物の売却
  • 仮設店舗における古物の売買

法第11条第1項により、行商や競り売りをするときは許可証を携帯します。 代理人等に行商をさせるときは、行商従業者証を携帯させます(同条第2項)。 行商従業者証は代理人等に行商をさせる場合の規定です。 1人で運営する場合に関係するのは、許可証の携帯のほうになります。 取引の相手方から提示を求められたときは提示します(同条第3項)。

ネットオークションへの出品と競り売りの届出

ここは区別があります。

法第10条第4項により、古物競りあっせん業者のあっせんを受ける場合は、競り売りの届出が不要とされています。 既存のオークションサイトに出品する形が、これに当たります。

一方、自社サイト等でウェブサイトを使って競り売りをする場合は、法第10条第3項の事前届出が要ります。 施行規則第8条第3項により、競り売りをしようとする日の3日前までです。 警察庁の解釈運用基準は、競り売りをしようとする期間を6月を上限とするよう指導するとしています。

変更の届出は期限が2種類ある

施行規則第5条に定めがあります。

変更の内容期限種別
営業所の名称・所在地・新設・廃止、主たる営業所等の別変更の日から3日前まで事前届出
氏名・住所、管理者、取り扱う古物の区分、ホームページ利用取引の開始・変更・廃止など変更の日から14日以内(登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内)事後届出

届出先も分かれます。 千葉県警察は、事前届出は変更前の営業所を管轄する警察署、事後届出は営業所の所在地を管轄する警察署と案内しています。 そのうえで「許可証の書換が必要な届出は、主たる営業所を管轄する警察署でなければ受理することができません」としています。

引っ越しの予定があるなら、3日前までという期限を先に押さえてください。

6か月放置すると取り消されることがある

法に有効期間や更新の規定はありません。 代わりに、法第6条第1項第3号に取消しの規定があります。

許可を受けてから6か月以内に営業を開始しない場合。 または引き続き6か月以上営業を休止し、現に営業を営んでいない場合。 これらが判明したときは、許可を取り消すことができるとされています。

法第6条第2項には簡易取消しの規定もあります。 営業所の所在地または本人の所在を確知できないときの規定です。 その事実を公告し、公告の日から30日を経過しても申出がないとき。 このときは許可を取り消すことができる、という内容です。

「とりあえず取っておく」という使い方には向かない制度設計です。

罰則の定め

条文だけを挙げます。

違反法定刑根拠
無許可営業、不正手段による許可取得、名義貸し、営業停止命令違反3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金法第31条
営業の制限(法第14条第1項)違反1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金法第32条
確認義務(法第15条第1項)、帳簿の備付け・保存(法第18条第1項)、品触れ、帳簿の記載の懈怠・虚偽記載6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金法第33条
許可申請書または添付書類への虚偽記載20万円以下の罰金法第34条
変更の届出の懈怠・虚偽、許可証の返納、許可証等の携帯、標識の掲示の違反、立入り・検査の拒否等10万円以下の罰金法第35条

法第36条により、法第31条から第33条までの罪については、情状によって拘禁刑と罰金を併科することができるとされています。 法第38条には両罰規定があります。

行政処分の側もあります。 法第23条は、盗品等の売買等の防止が阻害されるおそれがある場合の指示を定めています。 法第24条は、著しく阻害されるおそれがある場合等について、許可の取消しまたは6月を超えない範囲の営業停止を定めています。

古い記事では「3年以下の懲役」と書かれていることがあります。 令和7年6月1日施行の刑法改正により、現行条文は「拘禁刑」です。

2020年の「主たる営業所等届出書」は関係ない

検索すると今も出てくる手続です。

これは平成30年改正法の経過措置でした。 改正前に許可を受けていた人が、令和2年3月31日までに届け出るものです。 神奈川県警察は、提出しなければ許可が失効し、営業継続は無許可営業の扱いになると案内していました。

複数の公安委員会から許可を受けていた業者向けの手続もありました。 新許可証の交付申請です。 受付は令和2年4月1日から令和3年3月31日までで、すでに終了しています。

これから新規に取る人には関係がありません。 警視庁の申請届出様式一覧にも、この様式は掲載されていません。

なお同じ改正で、許可の単位も見直されています。 警察庁の国会提出資料に説明があります。 主たる営業所等の所在地を管轄する公安委員会の許可を受ける。 それで、他の都道府県に営業所等を設ける場合は届出で足りる、という内容です。 都道府県ごとに許可を取り直す形ではなくなりました。

よくある質問

申請前によく出る疑問を、条文と公式の案内で答えられる範囲だけ並べます。 個別のケースの可否は、いずれも所轄警察署の窓口で確認してください。

Q. 副業で月に数個だけ転売する場合も許可は要りますか

A. 警察庁の解釈運用基準は、臨時的に行う副業、内職等というべき場合も法にいう営業と認められるとしています。 件数で線を引く記載は見当たりませんでした。 自分のケースの可否は、所轄警察署に確認してください。

Q. 自分の私物をフリマアプリで売るだけなら不要ですか

A. 千葉県警察は、自己使用のために購入した物品(未使用の物を含む)を売却するだけの場合は許可不要と案内しています。 ただし、転売するために買って持っている場合は許可が要るとしています。

Q. 新品未使用の転売も古物の扱いになりますか

A. 警察庁の解釈運用基準に記載があります。 小売店等から一度でも一般消費者の手に渡った物品は、まだ使用されていなくても「古物」に該当する、という内容です。 個人から未開封品を買い取って売る形は、古物の取引になります。

Q. 海外から自分で輸入した商品だけを売る場合はどうですか

A. 千葉県警察は、自分で輸入した物品のみを販売する場合は許可不要と案内しています。 一方、国内の業者から買い取って販売する場合は許可が要るとしています。

Q. 申請はどこの警察署に出しますか

A. 主たる営業所の所在地を管轄する警察署です(法第5条第1項、施行規則第1条の3第2項)。 営業所がない場合は住所または居所が基準になります。 係の名称は署によって異なるため、事前に電話で確認してください。

Q. 手数料19,000円は不許可でも戻りませんか

A. 愛知県警察は「不許可となった場合及び申請を取り下げた場合でも手数料の返却はできません」と案内しています。 佐賀県警察も同趣旨です。 納付方法は都道府県で異なるため、申請先のページで確認してください。

Q. 「標準処理期間40日」は暦日ですか

A. 東京都公安委員会の審査基準には「40日(行政庁の休日は含まない。)」と記載されています。 休日を含まないため、カレンダー上では40日より長くなる計算です。

Q. 身分証明書はどこで取れますか

A. 本籍地の市区町村が発行する証明書です。 準禁治産者・破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨を証明するもので、運転免許証とは別です。 佐賀県警察は発行3か月以内と案内しています。

Q. 賃貸マンションを営業所にする場合、大家さんの承諾書は要りますか

A. 施行規則第1条の3第3項の法定添付書類には含まれていません。 千葉県警察は法定書類ではないとしつつ、受理時に承諾を得ているか確認することがあると案内しています。 佐賀県警察は自己所有以外の場合に必要書類として挙げています。 所轄警察署に確認してください。

Q. バーチャルオフィスの住所で許可は取れますか

A. 警察庁の解釈運用基準にも各都道府県警の公式ページにも、可否を明記した記載は確認できませんでした。 可否を断定する情報の多くは、行政機関以外の発信元です。 管理者の常勤、標識の掲示、帳簿の備付けという義務を満たせるかが論点になります。 契約前に所轄警察署へ確認してください。

Q. 店舗も事務所も持たず、ネット販売だけの場合はどうなりますか

A. 法第4条第10号は「営業所(営業所のない者にあつては、住所又は居所をいう。)」と規定しています。 警察庁の解釈運用基準は、行商のみを行う者について住所または居所を営業所とみなすとしています。 どう記載するかは所轄警察署に確認してください。

Q. モールに出店しているだけでもURLの届出は要りますか

A. 法第5条第1項第6号は、ウェブサイトを利用して取引をする場合にURLを記載すると定めています。 疎明資料には、プロバイダ名・使用者名・割り当てられたURLの明記が求められると千葉県警察が案内しています。 どの書面で足りるかは、所轄警察署に確認してください。

Q. 許可番号をホームページに載せる義務は、1人でも生じますか

A. 施行規則第13条の2第1項は、従業者5人以下または管理するウェブサイトがない場合を免除としています。 ただし法第12条第2項の括弧書きは特定古物商を除いており、法第12条第3項が特定古物商の表示事項を定めています。 ネットで取引をする場合は、1人でも対象になり得ます。

Q. 氏名を出さずに屋号だけで運営できますか

A. 警視庁は、個人で許可を受けた場合は氏名の掲載が必要で、営業所の名称のみの表示は認められないと案内しています。 また法第8条の2に関し、公安委員会が特定古物商の氏名・URL・許可証番号を掲載する仕組みが示されています。

Q. 帳簿はエクセルで付けてもよいですか

A. 法第16条は、帳簿等への記載または電磁的方法による記録を認めています。 保存期間の起算点が分かれる点に注意してください。 帳簿等は最終の記載をした日から3年間、電磁的記録は当該記録をした日から3年間です(法第18条第1項)。

Q. 1万円未満の仕入れも記録が要りますか

A. 施行規則第16条第1項により、対価の総額が1万円未満は確認義務が免除されます。 帳簿等への記載義務も、警察庁の解釈運用基準では同じく免除されるとされています。 ただし同条第2項の品目は対象外です。 令和7年10月1日施行の改正で、エアコン室外機、電気温水機器のヒートポンプ、電線、金属製グレーチングが追加されています。

Q. カフェで待ち合わせて個人から買い取るのは問題になりますか

A. 法第14条第1項は、営業所または相手方の住所・居所以外の場所で古物商以外の者から古物を受け取ることを禁じています。 違反には法第32条で1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています。 仮設店舗については、3日前までの届出による例外があります。

Q. 許可に有効期限や更新はありますか

A. 法に有効期間や更新の規定は見当たりませんでした。 ただし法第6条第1項第3号により、許可から6か月以内に営業を開始しない場合等は取り消されることがあります。

Q. 個人で取った許可は、法人化した後もそのまま使えますか

A. 千葉県警察は、個人で受けた許可は法人経営には適用されず、新規の許可申請が必要と案内しています。 警察庁の解釈運用基準も、古物営業許可は対人許可であるとして、合併による承継を認めない旨を示しています。

Q. 申請後に警察官が営業所を見に来ることはありますか

A. 佐賀県警察は、警察官が適切な営業が可能か事前に調査に伺うと案内しています。 警察庁の解釈運用基準も、簡易取消しの調査手続として現地確認・届出電話番号への連絡・簡易書留の発出を挙げています。

Q. 引っ越して営業所の住所が変わったら、いつまでに届け出ますか

A. 施行規則第5条第3項により、営業所の所在地の変更は変更の日から3日前までの事前届出です。 氏名・住所の変更などは14日以内の事後届出(登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内)です。

まとめ

要点を整理します。

  • 買い取って売るなら古物商許可の対象(法第2条第2項第1号・第3条)
  • 副業や内職も「営業」に含まれると警察庁の解釈運用基準が示している
  • 消費者の手に渡った新品未使用品も「古物」に当たる
  • 申請先は主たる営業所を管轄する公安委員会、窓口は所轄警察署
  • 手数料は19,000円。愛知県警・佐賀県警は不許可・取下げでも返却できないと案内
  • 標準処理期間は東京都公安委員会の審査基準で40日(行政庁の休日を含まない)
  • 個人の添付書類は略歴書・住民票の写し・誓約書・身分証明書(施行規則第1条の3第3項)
  • 営業所の定義は通達にあるが、バーチャルオフィスの可否は公式で確認できなかった
  • 使用承諾書は法定書類ではない。県警で運用が分かれている
  • ネット取引をする特定古物商は、氏名・URL・許可証番号が公安委員会のサイトに掲載される
  • 屋号だけの表示は認められず、特商法の通信販売の表示義務も別にかかる
  • 帳簿は3年保存。起算点は帳簿と電磁的記録で分かれる
  • 令和7年10月1日施行の改正で、1万円未満でも確認が要る品目に4つが加わった
  • 無許可営業には3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の定めがある(法第31条)

この記事は、法令・通達・都道府県警の公式ページを2026年9月13日に確認して整理したものです。 運用は都道府県で差があり、改正もあります。 申請の前に、所轄警察署の窓口とe-Gov法令検索で最新の内容をご確認ください。

この記事を書いた人

カイ — ネット物販の事業インフラ(住所・許可・口座・決済)を実際に自分で契約・申請し、その手順と所要日数を記録しています。